ユニットバスとは?メリットやデメリットについて

お風呂のリフォームを検討しているとき、「ユニットバス」という言葉をよく耳にするのではないでしょうか。ユニットバスと聞くと、「トイレとお風呂が一緒になった狭いお風呂」というイメージを持つ人も多いかもしれません。しかし、現在のユニットバスは進化しており、戸建住宅からマンションまで、多くの住宅に採用されています。
この記事では、ユニットバスとは何か、そしてユニットバスのメリットとデメリットについて詳しく解説します。さらに、後悔しないユニットバス選びのポイントもご紹介しますので、お風呂のリフォームを検討している方はぜひ参考にしてください。
ユニットバスとは?
ユニットバスとは、浴槽、床、壁、天井といった浴室のパーツを工場で成形し、現場で組み立てて設置する浴室のことです。それぞれのパーツを一体化させることで、水漏れリスクを抑え、気密性を高めることができます。
多くの人が想像するトイレと浴槽が一緒になった「3点式ユニットバス」は、主にビジネスホテルなどで見られるタイプです。一方、戸建住宅やマンションで主流なのは、浴槽と洗い場が一体となった「2点式ユニットバス」です。さらに、浴室の機能に特化した「1点式ユニットバス」もあります。
現在、日本国内で新築される住宅のほとんどがユニットバスを採用しています。これは、ユニットバスが持つ多くのメリットが理由です。
ユニットバスのメリット
まずはユニットバスのメリットとして考えられる4つのポイントをご紹介します。
掃除がしやすい
ユニットバスは、壁と床の継ぎ目が少ないため、カビや汚れが溜まりにくい構造になっています。また、防水性に優れているため、丸ごと水洗いできるのも大きな利点です。
最近のユニットバスは、お手入れを楽にするための工夫が随所に施されています。たとえば、水はけを良くする床のパターンや、カビの発生を抑えるための特殊な加工が施された壁材などが挙げられます。浴槽も汚れがつきにくい素材が使われることが多く、普段のお手入れはスポンジで軽くこするだけで済む場合がほとんどです。
断熱性が高い
ユニットバスは、壁、床、天井が一体となっているため、密閉性が高く、浴室全体の断熱性が優れています。これにより、冬場でもお湯が冷めにくく、快適な入浴時間を楽しむことができます。
さらに、多くのメーカーが高断熱浴槽や断熱材を組み込んだユニットバスを販売しています。これにより、追い焚きの回数を減らすことができ、光熱費の節約にもつながります。
工期が短い
在来工法で浴室を造る場合、基礎工事からタイル貼りまで多くの工程が必要で、工期が1か月以上かかることも珍しくありません。
一方、ユニットバスは工場で製造されたパーツを現場で組み立てるだけなので、最短で1日から数日程度でリフォームが完了します。これは、急なリフォームが必要な場合や、工事期間中の生活への影響を最小限に抑えたい場合に大きなメリットとなります。
段差が少ない
最近のユニットバスは、出入り口の段差をなくす「バリアフリー」仕様が標準的になりつつあります。浴室と脱衣所の床面の段差がほとんどないため、高齢者や小さなお子様がいる家庭でも安心して利用できます。
転倒事故のリスクを減らすことができるため、安全性の向上にも貢献します。また、将来的な介護を考慮して、手すりの設置がしやすい設計になっている製品も多く、より安心して長く暮らせる住まいづくりに役立ちます。
ユニットバスのデメリット
続いて、ユニットバスのデメリットをご紹介します。考えられる4つのポイントを見ていきましょう。
通気性が悪い
ユニットバスは、気密性が高いというメリットの反面、通気性が悪いというデメリットもあります。窓がなかったり、換気扇の性能が不十分だったりすると、湿気がこもりやすくなります。
特に、換気扇をこまめに回さなかったり、換気扇の清掃を怠ったりすると、浴室内に湿気が充満し、カビの発生を促す原因となります。ユニットバスを快適に保つためには、入浴後にしっかりと換気を行うことが非常に重要です。
設置できるサイズが限定的
ユニットバスは、工場で規格化されたサイズで製造されるため、設置できるサイズが限定的です。そのため、在来工法で造られた変形した浴室や、特殊な間取りの場所に設置することは難しい場合があります。
また、既存の浴室よりも大きなサイズのユニットバスを設置したい場合、壁を壊すなどの大掛かりな工事が必要になることもあります。理想のサイズや形にこだわりのある場合は、在来工法の方が自由度は高いと言えるでしょう。
カビが発生しやすい
先述の通り、ユニットバスは通気性が悪いため、湿気がこもりやすく、カビが発生しやすい環境になりがちです。特に、壁と床の継ぎ目や、ドアのパッキン部分などは、カビの温床になりやすい場所です。
最近のユニットバスは、防カビ剤が練り込まれた素材や、カビの発生を抑えるための工夫が施されていますが、それでも日々のこまめな清掃と換気は欠かせません。
梁・柱・窓が設置の際に邪魔になる可能性もある
ユニットバスは、組み立て式の「箱」のような構造をしています。そのため、設置する場所に梁や柱、窓などがあると、ユニットバスのサイズや形状が合わないことがあります。
特に、在来工法で造られた古い住宅では、浴室内に思わぬ段差や出っ張りがあることがあり、設置工事がスムーズに進まないケースも考えられます。事前に現地調査を行い、設置が可能かどうか、どのような工夫が必要になるかを確認することが重要です。
ユニットバスを選ぶ時のポイント
ユニットバスは、一度設置すると簡単に交換できるものではありません。そのため、後悔しないためには、いくつかのポイントを押さえて選ぶことが大切です。ここでは、ユニットバスを選ぶ際に特に注意したい3つのポイントをご紹介します。
高断熱浴槽を選ぶ
ユニットバスの大きなメリットである断熱性を最大限に活かすためには、高断熱浴槽を選ぶことが重要です。高断熱浴槽とは、浴槽全体を断熱材で包み、お湯が冷めにくいように設計された浴槽のことです。
高断熱浴槽を選ぶことで、追い焚きの回数を減らし、ガス代や電気代の節約につながります。また、冬場でも温かいお風呂にゆっくりと浸かることができるため、快適性が向上します。
初期費用は少し高くなるかもしれませんが、長期的に見れば光熱費の削減効果を期待できるため、ぜひ検討してみましょう。
既存の浴室に合うサイズを選ぶ
ユニットバスは、規格化されたサイズで製造されています。そのため、リフォームの際は、既存の浴室に合ったサイズを選ぶことが最も重要です。
既存の浴室のサイズを正確に測り、それに合うユニットバスのサイズを調べましょう。メーカーのカタログには、ユニットバスのサイズが詳しく記載されています。既存の浴室よりも大きなユニットバスを設置する場合は、壁を壊すなどの追加工事が必要となり、費用や工期が大幅に増える可能性があることを覚悟しておきましょう。
家族構成に合わせて選ぶ
ユニットバスは、家族みんなが毎日使う場所です。そのため、家族構成やライフスタイルに合わせた機能を選ぶことが大切です。
例えば、高齢者がいるご家庭では、段差が少ないバリアフリー仕様や、手すりがつけやすいデザインを選ぶと安心です。小さなお子様がいるご家庭では、滑りにくい床材や、水はけが良い床を選ぶと、安全性が高まります。また、入浴剤をよく使う場合は、浴槽の素材が変色しにくいものを選ぶなど、日々の使い方を想像しながら選ぶと失敗が少なくなります。
まとめ
ユニットバスは、在来工法に比べて「工期が短い」「掃除がしやすい」「断熱性が高い」など、多くのメリットがあります。一方で、「通気性が悪い」「カビが発生しやすい」といったデメリットも理解しておく必要があります。
ユニットバスを選ぶ際は、家族構成やライフスタイル、そして予算に合わせて、高断熱浴槽やバリアフリー機能などを検討することが大切です。この記事を参考に、ライフスタイルに合ったユニットバスを選び、快適なお風呂時間を手に入れてください。
